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   『生き様』

         投稿者 : 82%


ここは、川沿いの道路の端っこ。おいらは、ここを住処としている。誕生から五年が経つが、おいらはまだまだここに住んでいる。そして、これからも、住むつもりである。何せ、おいらは、動けないから。おいらは、ゼニゴケの「ブンブン」。この、常に湿ったところに母コケ、姉コケと共に住んでいる。動けないから、あんまりやることはないけど、俗に言う、光合成をしているんだ。これが、意外に面白い。おいらたちの好物「にさんかたんそ」をぎゅっと吸い込んで、ひなたぼっこをする。人間の好きな「さんそ」と「でんぷん」を出すんだ。でも、一番楽しいのはおしゃべり。コケ界での5年は長い。やることがないからね。僕が生まれた頃はお母さんとおねえちゃんしかいなかったけど。今は、周りにたくさんいる。僕の向かいにいるのは、「デンデン」。僕の左は「ギガ」。そして、右にいるのが僕のガールフレンドの「ポン」。二年前から一緒にいるんだ。お父さんはどこにいるかって?それは、ちょうど去年に遡る。住民がこの辺一帯を掃除するんだ。男の人は川の中を掃除するから平気だけど、問題は、女・子供。お父さんはちょうど一年前。五歳の健太って奴にやられた。僕らは、なんとか一部分を残すことができたけど、お父さんは根こそぎ取られたしまったんだ。川掃除が去年から、始まったみたいなんだ。それから、今日で一年。すなわち、地域川掃除の日。きっと健太もやってくるに違いない。道に含まれる水分を思いきり蓄え、元気になる。地面にしがみつく。手はないけどね。 
 太陽も昇りはじめ、辺りはだんだんに明るくなってきた。そこにやってきたのは清掃会長の高橋明とその子供の健太だ。そう、健太とは奴だ。黄色の帽子を被り、手には鎌とスコップがある。まさかの2本だ。このままでは、おいらたちが根こそぎとられてしまう。形勢を立て直す好手を俺たちは探すが、それは無駄なことだ。声に出すこともできないし、逃げることもできない。おいらは、ポンのほうに目をやった。その時だった。さらに、人が集まってくるのと同時に、健太がスコップを振りかざしたのだった。真っ先に狙われたのは「デンデン」だ。デンデンは何かを悟ったようにもう抵抗はしなかった。デンデンは、スコップで運ばれ、大きな白い袋の中に消え去っていった。だが、おいらにはデンデンを心配する余裕なんてなかった。まだ健太はすぐそこにいる。今はデンデンの所を少しずつ刈っているが、いつこっちにやってくるかは分からない。おいらたちに緊張の汗が走る。おいらは、涙ぐんでいるポンを見つめ、またポンもおいらを見つめていた。だが、反対側を刈り取った健太はお構いなしにこっちにやってくる。狙われたのはポンだ。おいらは、焦ったが、どうすることもできない。そんなときに、姉ちゃんがおいらとアイコンタクトを取った。
「あそこに行って助けてあげなよ。」
そう、聞こえたわけではないが、おいらにはそう聞こえたのだ。こうなったら、おいらもあの中に行くしかない。おいらは、あせを掻きながら、脱力し、健太のスコップによって同じ袋の中に入っていった。ポンは驚いてはいるものの、喜んでいた。袋が地面に置かれたときに強い風が吹いた。おいらとポンは顔を上げ、風に乗って元の場所に戻った。
「健太、終わりだよ。」
清掃会長の言葉が聞こえてくる。健太は、スコップと鎌を放り捨て、会長の所へ去っていった。また一年生き延びることができた。おいらは、隣にポンを連れ、今日もおしゃべりに勤しむ。天高く上がった太陽がおいらたちを照らしていた。


<作品のテーマ>

庭のコケを見ていて、書きたくなりました笑。
アドバイス頂けると嬉しいです。
   投稿者  : 
タイトルから割とシリアスな作品なのかと思いきや、まさかのコケ!?
不意打ちを食らいました。なんだかシュールな内容で、読み終わったときには不思議な気分になりました(笑)
さて感想ですが。
段落が少ないせいか行を開けていないせいかわかりませんが、何故か少し読みづらかったです。ド素人なので大したこと書けませんが(;´・ω・)
あとは、ブンブンとポンは脱出できたのにデンデンは取り残されているのが少し気になりました。デンデンも健太に襲われている様だったので…。
文章に関しては、特に悪いところはなかったと思います。
ストーリー性があるコケ物語…
発想が面白く、最後まで楽しく読めました!これからも斬新なストーリーを磨いて行ってください(笑)
以上です!まだひよっこの感想なのでそこまで気にせず、創作頑張ってください。
   投稿日 : 2017/03/20 16:45
   投稿者  : 82%
零さん
感想ありがとうございます。
今回はこういう路線の話を書いてみました。
自分で書いてて楽しかったのですが、楽しく読めたとの御言葉を
頂き、執筆時のわたしの思いが伝わっていれば幸いです。
さて、感想についてですが、段落についてですね。すいません、推敲ミス(推敲不足ともいう)
です慌。紙に書いたものをそのまま起こしていたので、考えていませんでした。
デンデンについては袋の中→アウトのつもりでした。
伝わっていなかった(伝えていなかった)ようなので、ご指摘ありがとうございました。
文字数も少ないので、少しずつ改稿を始めているのですが、具体的なアドバイスを頂きやりやすくなりました。
これからもよろしくお願いします。
   投稿日 : 2017/03/20 21:51
   投稿者  : てこてこ
コケの話なんて面白いですね。こういった人外の題材も好きなので楽しめました。
気になった所を挙げますと、話の展開は分かり易かったのですが、少し読みにくい部分がある所ですかね。
ひとつめがお父さんのくだりですね。「お父さんはどこにいるかって?」から急に回想(状況説明)に入り、回想に入ったかと思えばまたお父さんの話に戻り、と話が行ったり来たりするので少し戸惑ってしまいました。
なので「お父さんはどこにいるかって?」(問題提起)→「お父さんは取られてしまったんだor死んでしまったんだ等」(結論。書き方はお父さんが亡くなったという事が分かれば良いですが、何故死んだのかの疑問を持たせる様にする書き方の方が、読者も続きを読みたくなると思います)→回想(状況説明)の流れの方が読み易くなるかなぁと思います。
あとは後半の姉ちゃんの台詞とブンブンの行動ですね。冒頭からずっとコケだから何も出来ないと明記されていますし、ブンブンも脱力してもしなくても人間の力には抗えないので、文章自体に意味が無いかなぁ、と違和感が残ってしまいました。デンデンの部分もそうですね。
同じ様な流れで行きますと、コケだから何も出来ないというのを主張して「なす術もなくデンデンは連れ去られた」→「どんどんやつらはこちらへ迫ってくる」→「ポンが連れ去られるのを見ている事しか出来ない」→「そして自分も刈り取られた」→「このまま皆死んでしまうのだろうか」→「その時強風が起こり、皆地面へと辿り着けた」の様に、コケ自体が受け身の話の流れの方が自然に見える気がしますし、人間の残酷さやコケだからどうしようも出来ない切なさ的なものも出していけると思います。
あくまでコケである事を念頭に置いて書いてくと、もっと良くなるかなと思いました。
毎回ながら個人的な意見なので、参考程度にどうぞ、
長々と失礼しました。
   投稿日 : 2017/04/08 14:14
   投稿者  : 82%
てこてこさん
感想ありがとうございます。回想部分の読みにくさのご指摘、ありがとうございます。書きたいことだけを書いてしまうと構成がおかしくなってしまう私の力不足です。順序よく書くことを覚えます笑。また、文章での矛盾についてですが、これも同じですね。小説の言うのは、自分での頭に入っていることを書くことができるのがメリットと私は考えていますが、これでは逆ですね。自分で書いておいて、自分で矛盾を起こしている。なんと馬鹿げた書き方でしょうか。流れに乗った書き方を学びたいと思います。これからも、アドバイスよろしくお願いします。
   投稿日 : 2017/04/09 11:22
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