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   『PaNdoRa<若干グロ表現あり>』

         投稿者 : 零


「プレイヤー、蒼空の勝利。経験値を1手に入れました」
 無機質なアナウンスが、耳元のスピーカーから聞こえた。
手にした太刀をぶんと振り、無造作に血を払う。塗りたくられたような漆黒の闇に、鮮やかな赤が散った。
パチンと指が鳴る音と共に、すすけた天井に取り付けられた蛍光灯が灯る。安っぽい光に照らされながらも、その容姿は見る者を引き付けた。切れ長の目はまっすぐ前を見据え、口元は厳しく引き結ばれたその表情からは凛々しさがあふれ出んばかりだ。それでいて、まるで抜き身の剣のような危険な美しさも感じさせた。厳めしい武器に似合わぬ色白の肌が、暗闇からぼんやりと浮いて見える。
大人びた顔付きだが、身長は十四歳の男子にしては少し低めだ。体の輪郭線も、どこか頼りなく細い。しかし身の丈ほどもある武器を軽々と背負い、他にも拳銃やらロープやらといった戦闘用の装備一式を苦も無く持ち歩いている。普通の人間なら歩くどころか立っていることすら苦痛だろう。一体どこに筋肉がついているのかは疑問だが、そこに触れる者はいない。
纏った白いジャケットと長めの黒髪が、足を出すたびにふわりと揺れる。柔らかな動きとは対照的に、細い脚を包むブーツからは硬い足音が響く。
足音で誰かが近寄ってくるかと思ったが、駄目だったようだ。
少年が歩いているのは、打ち捨てられてから久しい廃工場だ。壁や床から突き出ている錆びた配管やら鉄骨やらが、無機質で侘しい雰囲気を醸し出している。少年のほかに人の気配はない。ところどころに赤黒いシミがこびり付いているが、ありふれている故見向きもしない。敵がいないことに安堵したのか退屈なのか、少年は突然座り込んだ。そのまま背中を壁に預け、腕を頭の後ろに回す。
「疲れた」
 とは言わない。そんなことを口に出せば、すぐさま研究所へ…帰宅という名の強制送還だ。実際今日は朝から戦い続け少し弱ってはいたが、それでも帰りたくない理由があった。理由と言っても実に単純で、こっちのほうが居心地が良いからだ。
紹介が遅れたが、少年の名前は一ノ瀬蒼空。急速な開発が進むN市中央区に住む、十四歳の少年だ。できれば「普通の」少年と言いたいところだが、彼のプロフィールは平凡とはかけ離れている。一言でいうなら、天才。二言で言うなら、とてつもない天才。
そんな人間だ。
三歳の頃路上に捨てられていたところを拾われ、施設を転々としたのちにとある家に預かられた。しばらくはそこで幸せに暮らすことができたが、ある事件により国の施設に「能力」を保持していることが知られた。それ故結局家族と引き離され、現在は研究所に引き取られ、もとい管理されている。軟禁状態に等しい環境にいる彼が唯一好んでいるのが、この仮想現実でのサバイバルレース「Pandora」である。基本ルールは単純だ。モンスターや他のプレイヤーを殲滅し、スコアを稼げばいい。魔法もないし、チート級の武器や防具があるわけではない。敵を倒すとその強さに応じた経験値と金が手に入り、レベルアップをしたり回復薬などの道具を購入したりすることができる。
超オーソドックスなゲームシステムだが、三つほど普通のゲームとは大きく異なることがある。
一つ目。現実世界の身体能力が、ゲームのステータスに反映される。
二つ目。ゲームの中では、自分の身体を操るのと全く同じ感覚で行動できる。
三つ目。ゲームオーバーになると、プレイヤーは現実世界で死ぬ。
以上である。
一つ目のルールは、そのままである。プレイヤーが強ければ強いほどアバターも強いし、その逆もしかりだ。それ故に幼い子供は参加することができないし、女性のプレイヤーも少ない。蒼空のように中学生が参加しているのも、第三者から見れば異常だろう。
二つ目のルール。これは少々わかりにくいが、プレイしている間、プレイヤーの意識はゲームの中にある。現実ではPCの前かゲームの台に座ったまま意識がないという、かなり危ない状態だ。しかしそんな光景も、このゲームが爆発的に売れてからは珍しくなくなった。プレイするためだけのホテルまで作られたほどである。そして吸い取られた意識ごとゲームの中に入り、活動するわけだ。
三つ目。これは一部のプレイヤーにだけ課されるもので、隠し難度「α」以上でしか存在しない。そこはあまりにも危険なため一般人は入らないが、一部の無謀な人間は好んで入り浸る空間である。当然そんな現象が報告された時点で発売禁止になるはずだが、どういうわけかそれは行われておらず、αに関する情報はどこにもない。それでも、プレイヤーの心臓がいきなり止まり、死亡する事例はある。そんなことにならないように気をつけないとな、と蒼空はぼんやり思う。先ほどまで眠っていたはずの自分がいきなり死んだりすれば、研究所のスタッフは困るだろう。
ちなみに蒼空がプレイしているのは難度β。第三のルールはもちろん適用されている。しかし蒼空は、死を恐れてはいない。それでも殺されないようにするのは、ゲームに負けたくないからだ。矛盾しているようだが、彼は負けることを極端に嫌っている。もし生きることが敗北なら、真っ先に己の命を絶つのも厭わない。しかしこのゲームでは生きることが勝利の必須条件。それ故、必然的に彼は生き残る羽目になる。
それでも最近、このゲームにも少し飽いてきた。理由は単純。蒼空が強すぎるのだ。
サバイバルという観点からすれば、複数人で一緒に行動し協力したほうが圧倒的に有利だ。そんなことはわかり切っている。
「あ」
 蒼空はようやく背を起こした。暗い通路の先に、人の気配を察知する。足音を隠しもしないあたり、こちらに確実に勝てるという自信があるのか。それともただの阿呆なのか。多分後者だろうなー、とは若干思いつつ、立ち上がって服の煤を払った。
まぁ、味方ではないことは確かだし。
蒼空は、この世界では珍しい一匹狼である。一応パーティーを組んではいるが、形だけのものだ。そもそも蒼空レベルの大物と組むような奴が、わざわざ足音を立てて近づいてくるはずがない。
向こうはようやく蒼空の存在に気付き、一瞬立ち止まった。
大柄な男。脚は速くない。武器はハンマーだが、体術を使う可能性がある。装甲は厚い。
男の体格や歩き方などから、蒼空は相手のステータスを大方把握する。と同時に、鼓動が一気に静まるのを感じた。やっぱりアイツ阿呆だ。本当に強いプレイヤーなら、敵の姿を視認し立ち止まることなどない。何故なら、雑魚相手なら数秒で殺せる故躊躇がないからだ。蒼空が子供だということもあってか、相手は戸惑っている。
そして、一瞬後。
男は不思議そうな表情のまま、その場に崩れ落ちた。赤黒い液体がどばりと溢れ、冷たい床に奇妙な模様を描く。
服が汚れたな、と蒼空は少し反省した。真っ白だったジャケットの裾に、小さなシミができている。至極自然な様子の蒼空だが、彼が成し遂げた芸当は常人ができる範囲を遥かに凌駕している。何が起こったかを解説すると、次の通りだ。
蒼空が跳躍し、十メートルほどの距離を数歩で潰す。男が身構える間もなく、その身を袈裟懸けに切り割る。勢いを殺さず男の左後方へ抜け、血飛沫を躱す。
以上である。傍から見れば、彼の太刀が一瞬煌めいた様子しか確認できないだろう。先ほども説明したが、現実世界での身体能力がゲームに反映される。ということは、現実での彼もそれだけの能力を持ち合わせているのである。それが、天才と呼ばれる所以だ。
そして彼には二つ名、いや、四つほど名がある。その中でも有名なものが「剣音」である。何故その名がついたかはあまり知られていないが、あまりに行動速度が速いため斬撃音が遅れて聞こえることに由来するらしい。他にもさまざまな説があり、中には祖父が有名なピアニストだったからなどというものまである。本人は全く興味がないようだが、一部のプレイヤーからはまるでアイドルのように尊敬され、愛され、崇拝されている。
「おうおう」
 また血を払って刃を収めると、唐突に後ろから声がかかった。誰何するわけでもなく、蒼空はほっと溜息をつく。
「泰我、僕の傍に来るなって言ってるだろ」
「いーじゃねェか別に!このあたり誰もいないしよ」
 床に溢れている液体を見てなお、泰我と呼ばれた短髪の男はそう言い切る。つまりは、あの程度の人間を敵とは認識していないのだ。いないも同然に扱っている。ここは、そういうレベルの世界だ。飛脚のような和服をラフに纏い、手足には脚絆や手甲。いつの時代から来たのかと問いたくなるような服装だが、これでも一応戦闘用の防具ではあるらしい。ただ泰我の財布は軽い。それ故これらはセールで買ったものだが、この男にしては珍しくまめに手入れと強化をしながら愛用してきた。先ほど斬られた男とほぼ同じようなごつい体躯をしているが、泰我は蒼空と同じ十四歳である。しかしただでさえ背が低い蒼空の前に立つと、頭1.5個分ほど高い位置から見下ろすようになる。
「僕を見下ろすな」
 背筋が凍るような眼でぎろりと睨まれるが、泰我はものともせず豪快に大笑を放つ。
「はっはっは!牛乳飲めよチビ」
 言い終わる間もなく、鞘に収まったままの太刀で頭をぶん殴られた。
「いってぇ!なんでお前さんはいつもそう喧嘩っ早いんでェ…」
「喧嘩じゃない。制裁だ」
「チビなのは事実でェ」
 ぼそっと呟く泰我を無視し、蒼空はすっと背を向けて歩き出す。さっき注意されたのも意に介さず、泰我は平然と後ろをついて歩いた。
「なんでついてくんだよ」
「いやァ、この先にbotがいるって聞いたんでェ。確かめに行く」
「それを先に言えよたわけ」
 botという単語を聞き、蒼空の目が一瞬光った。たわけとは罵りながらも、表情は初めて明るくなる。しかしその笑みを見て、泰我は背筋に悪寒が走るのを感じる。否、笑顔と表現していいのだろうか。薄暗がりで見るその表情は妖艶で、美しく、しかしうっすら狂気じみて見えた。泰我は知っている。この人間を本気で怒らせると、自分は抵抗する間もなく剣の露だ。いや、素手で首の骨をへし折られる。しばらく忘れていた恐怖心を、一気に掻き立てられたような気がした。だからといって離れるような性格ではないが。泰我が蒼空とゲーム内で一緒にいるのは、単に面白いからである。彼が行動を決める基準は、基本的に面白いか否かだ。現実世界で近づこうとすれば、先ほどのように太刀で殴られるけど。
botとは、ゲームの中に稀に発生するバグである。その姿は人間であったりそうでなかったりで、特に決まりはない。しかし共通しているのはプレイヤーを殺そうとするところと、尋常じゃない程強いところか。それを倒せば周囲からは称賛の嵐はもちろん、ゲーム内でも稀なスタープレイヤーになること間違いなしだ。しかし蒼空が求めているのはそんなものではなく、戦闘である。名誉はある、安寧もある、才能もある、ないのは、戦うべき敵だ。ようやくそれを見つけた蒼空は、鼓動が徐々に高まるのを感じていた。これだ。初めてゲームをプレイしたときのような、久々に感じる高揚感。忘れかけていた感覚を揺さぶられる。空気が一気に新鮮になったような気がする。蒼空は歩みを早め、駆けるように進みながら息を大きく吸った。
まるで里親んとこで過ごしてた時の蒼空に戻ったみてェだな。
無邪気な少年の頃に帰ったようで、ほほえましく…はないか。動機は全然健全じゃないし。
泰我は反応に困りつつ、蒼空を追って駆け出した。

蒼空は見るからに怪しいドアを発見すると、歩調を緩めて足音と気配を消した。この中だな、という直感。強い者に出会った時の、ピリピリと肌が粟立つような感覚。鼻の頭が乾くような危機感。好きだ。二次元のPCゲームの向こう側に、さらなる刺激物をぶちまけたようだった。
深呼吸して、勢いよくドアを開け放った。ここでステルスを狙っても面白くない。暗殺ではなく戦闘にしないと。思い直した蒼空は、気配を消すのを止めたのだ。
その向こうにいたのは、女性だった。
別に戸惑いはない。botなんだから、性別も年齢も関係なく敵だ。それでも、蒼空は足を止めた。
「あら、お客様ですわね」
 ゆるく結ってある金髪をさらりと揺らし、女性が振り返る。その声は意外にも柔らかく、無機質な部屋に反響した。優雅な物腰に違わず、その衣装も異国の姫のように美しいものだった。白いフリルに飾られたワンピースの上に、若草色のジャケット。腰にはワインレッドのリボンが結ばれ、彼女が動くたびにふわりとなびく。しかしその腰にはホルスターが下げられ、装備が戦闘用のものであると知らせている。
「可愛い男の子ですこと。どうかされましたの?」
「いえ。あなたがbotであると聞いたもので」
 蒼空は柔らかな声音で返す。まるで親戚にでもあったような態度に、泰我は赤い目を丸くした。
あいつ戦う気ないのか、と思いかけた瞬間、空気が裂かれる。
「あなたは、どんな御用ですの?」
 隣で微笑む女性。それを目にした泰我は、蒼空の笑みと同じ恐怖を感じる。怖気が心臓を何往復も駆けた。この一瞬で、オレの隣に来たのか。
「私はフィオナと申します。あなたは?」
「っ!」
 タイガは答えず、慌てて右へ飛んだ。とにかく離れたい。こいつ、オレがかなう相手じゃない。身体が戦闘を拒否している。そんな泰我を見て、フィオナと名乗る女性はふっと笑った。
「そんなに怖がることはなくてよ。私の獲物はあの子ですもの」
 獲物。
急に物騒な言葉を口に出す。しかし言葉に違わず、その表情が豹変した。空気が揺らぐ。
「はっ」
 蒼空は反射で応じた。二人の距離は十メートルほどあったが、彼女はそれを数歩で潰して斬りかかってきた。つまりは、蒼空と同じ芸当を軽くやってのける。
懐にでも隠していたのか、その手には短剣が逆手に握られている。後ろに飛びずさったが刃が軽く触れ、ジャケットの肩口が裂かれた。大したことないように思えるが、蒼空の装備は通常のものと比べ桁違いに頑丈な特注品である。その分値段も、全身の装備を合わせると天文学的な領域に達している。
結論を言うと、フィオナの剣はなかなか、というより恐ろしい切れ味だということだ。そんなものを当てられたら、当然だが即死だろう。しかし蒼空の武器は太刀と脇差。圧倒的に有利なはずだ。つばぜり合いなんざできるはずがない。それでもフィオナに切羽詰まっている様子はない。銃も抜かず、短剣一本で戦うらしい。蒼空は唇を濡らし、右手を突き出した。
閃光。
青い光がフィオナを狙い、なびくリボンを焦がした。
外した。
蒼空は少し眉を歪め、次の瞬間には表情を戻している。別に効くとは期待していなかった。さすがにこの程度で死んだら歯ごたえがなさすぎる。今の光は蒼空の持つもう一つの武器、というよりはスキル。
雷撃。
 電気を操るという単純な能力だが、意外に応用範囲が広く強力な攻撃スキルだ。電脳空間で自在に行動することも出来るので、電子機器を使って瞬時に移動するなどという行為もできる。彼はその頭脳を用い、他にもたくさんの利用方法を編み出していた。
「あら?」
フィオナは軽く驚き、にこりと笑った。二人はにこにこしながら戦闘している。もう泰我にはわけがわからない。
「わっけわからん…」
 素直に口に出すが、そそくさと現場を後にしようとドアノブに手を
「ぅぐあ!?」
 かけようとしたが反射的にひっこめた。蒼空の放った雷が取っ手に直撃したのである。当たった個所は黒く焼け焦げ、プスプスと煙を上げている。当たっていたら今頃同じように黒焦げだ。
オレのことも少しは考えやがれチビ!
むっとして振り向いたが、とにかく脱出を試みる。
「あら?もうお帰りになるのですか?」
 もう一度手をかけようとすると、今度はフィオナに話しかけられた。蒼空一人を残してはいけない故本気で逃げようとは思っていないが、もう勘弁してくれよお前ら。半分涙目の泰我。それに構わず、彼女はその手を取った。
「あ?」
 手が吹き飛ばされるんじゃないかと恐怖で顔が引きつる。しかしそんなことはなく、フィオナは続ける。
「私のお相手をお願いしてもよろしくて?先ほどはあの子だけを相手にするつもりでしたが、少し盛り上がりませんの」
 断ったら殺されるわ。
そう察した泰我は、しかたなく背中の大斧を構えた。危なくなったら蒼空を引っ掴んで絶対逃げよう、との決意も固めつつではあったが。
「ありがとうございます」
 す、のタイミングで閃光が炸裂。
「僕を忘れて何してんの」
 蒼空はこちらをきっと睨み、その右手が青く発光している。小さな雷を飛ばす技、雷矢。フィオナからすれば軽傷で済むが、泰我のような人間に当たれば感電して良ければ気絶、悪ければ即死だ。蒼空は自分をそっちのけにして会話をしているということに怒っていた。フィオナへはもちろん、泰我にまで怒っている。
アイツもコイツもわけわからん。
泰我はため息をつきつつ、蒼空のもとへ駆けた。
フィオナも後を追い、部屋の中心付近に三人が集結する。
「では、本番ですわね。お手柔らかに」
 言い終わらないうちに動いたのは蒼空だ。風を置き去りに、まさしく電光石火の如く抜き打ちを放つ。フィオナは微笑みを絶やさず横っ飛びで躱し、短刀を蒼空に向けて振り下ろす。時代劇なら刀で受けるところだが、蒼空は転がって躱し、腕力だけで飛び起きた。つまりは、腕立て伏せの要領でそのまま飛び上がったということである。もはや生命体であることすら疑わしいレベルに達しそうだ。
泰我も呆然としているわけにはいかず、頭を切り替える。
こいつはbot、つまり敵。だから蒼空と二人で倒す。
それしか考えない。女性だからと手抜きはしない。というよりできない。
蒼空の雷矢を避けた先で待ちかまえ、上段から大斧を叩きつける。しかし届く寸前で、目の前が白く煙に包まれた。突然の事態に思わず斧を取り落としたその時、煙を引き裂いて刃が光った。
すぐに柄から手を離し、短刀による反撃を手甲で受ける。腕がしびれる感覚から、その力の強さを思い知った。相手の動きが止まる一瞬を突き、今度はフィオナの後方から蒼空が斬撃を加える。彼女はタイガと同じように平然と腕で受けた。
 鮮血が飛び散り、細腕が斬り飛ばされるのが見える&#8212;&#8212;―ことはなかった。服は確かに切り裂かれているが、その下に損傷が及んだわけではなさそうだ。よく見ると、彼女の腕には金属の板が巻かれていた。そして。その腕で、そのまま泰我を殴りつける。不意打ちの攻撃に対応できず吹き飛ばされた泰我の後に、鮮血が尾を引いた。
「泰我!?」
 思わず蒼空も焦りを見せた。しかし彼が起き上がるのを見て、若干安心する。そして次の攻撃を受け流そうとした時、蒼空は彼女の打撃の意味に気付いた。袖を優雅に飾るレースの間に、ギラリと生々しく光るものがある。殴ったと思っていたが、実はこの刃で斬撃を放ったのだ。短刀に注意を引き付けておき、本当の凶器に気付きにくくする。それがフィオナの攻撃。この術に騙されたプレイヤーが何人いたことだろう。みな一様にその容姿に油断し、武器に油断し、切り裂かれて宙を舞う。しかし蒼空が見破ったとき、フィオナはふふっと笑った。ようやく骨のある相手に出会えた。無論、蒼空も同じ思いだ。
「あなたなら、私の相手が務まりますわ」
「奇遇です。僕も同じだ」
 頬を流れる血を手で拭い、太刀を構えなおした。泰我も肩の傷を確認し、斬撃に気付く。あと一センチくらい深かったらやばかったな。首筋を伝う汗の量が尋常じゃない。それだけ、危険だと全身が訴えていた。でも、負けない。蒼空程ではないが、泰我にも勝利への執着はある。ついでに生きることもちゃんと考えている。それ故に死んでもいいという蒼空の思想は理解し難かったが、共に生活する仲間として助けたいという思いはあった。もう一度自分のことを思い出して欲しかった。だから。
再び掴みかかろうとするフィオナの肩口に、火炎の矢が直撃した。
「あッ!?」
 焼けつくような痛み、というより本当に肉が焦げる痛みを感じ、フィオナはきっと泰我を睨む。さっきは押され気味だった泰我だが、負けじと強い眼光を放つ。そしてまた、がら空きの背中に向かって飛んだ。大斧は既に手元にある。そいつに炎を纏わせ、もう一度叩きつける。
泰我の能力は炎武。その名の通り、炎を自在に操る攻撃スキルである。雷撃程強力ではないが、その分体力の消費も少ないうえに応用が利く。なかなか使い勝手が良いため、泰我は専らこのスキルだけで戦闘していた。今回はさすがにそれだけで倒せる相手ではないと分かったので、武器も使ったが。
フィオナは蒼空の動きに注目していたせいで躱しきれず、純白のワンピースを赤黒く染めた。炎の追撃も襲い、袖が焼け焦げる。フィオナは悲鳴を上げて身をよじったが、装備が耐火性なのか火はすぐに消える。その間に蒼空が何度も切り付けるが、痛がりながらもすべていなしていた。
こいつ化け物なんじゃねェか?
今更ながら、そんな恐れを抱く。蒼空の傍にいるせいでいくらか霞んではいるが、泰我だってこのゲームの中では強いほうだ。少なくとも、この国の中では五本の指に入るプレイヤーだ。そんな二人に同時に襲われ、戦闘が成立している。まずあり得なかった。少なくとも今までは、そんなbotを見たことがない。一方、蒼空は相手の力量を知りながらもそこまで恐れてはいなかった。もし危なくなっても、最大限能力を行使すれば泰我は助けられる。多分自分は犠牲になるだろうが、別に構わない。
強い者には責任が付いて回るのが常、だ。
蒼雷と紅炎が暗がりを切り裂き、閃く。狙った一撃が外れ体を泳がせる泰我を、蒼空が太刀で庇う。死角から蒼空を狙い突き出された刃を、泰我が斧で弾く。こんな風に助け合うのは、一体何年ぶりだったかなァ、と泰我はぼんやり考えた。蒼空は、そんなこと微塵も考えていないだろうけれど。
「面白いですわ。私に怪我を負わせるなんて…本当に」
 肩口を焼き焦がされ、腰と太腿を切り裂かれ。優美な衣装を血で汚されたにもかかわらず、フィオナはぞっとするような笑みを見せた。
「可愛い子たちですこと」
 同時に。
「ぐっ」
 蒼空は小さく呻き、耳が聞こえなくなった。左腕が痛い。自分の心臓の音が大きく聞こえた。景色がスローに見える。舞い上がるコンクリートの破片、あっけなく宙を舞う泰我の身体。それが重力に引かれ、ドサリと地面に叩きつけられる。
「泰我」
 聴力が戻り、ようやく我に返った。
フィオナが爆弾を仕掛けていたのだ。それが何かの拍子に作動し、泰我が巻き込まれた。蒼空は建物の破片で腕を打撲したらしく、木槌で何度も叩かれているような重い痛みが纏わりついている。完全に己の不覚だ。フィオナが最初からこの部屋にいた時点で、それは考えておかなければならなかった。自分の落ち度を突き付けられ、息が詰まりそうなほどの罪悪感と絶望に叩きのめされた。なんとかしなければ。すぐさま泰我の傍らに飛んだ。急所は無事だが、腹を深く抉られている。真っ赤だった着物が、さらに赤く染められていた。
「蒼空…」
 瞼をぴくりと動かし、薄目を開ける。回復薬を取り出すまでの間、後ろはがら空きだ。恐らくはそのことを心配して名前を呼んだのだろう。
「大丈夫」
 ゲーム内で死ねば現実でも死ぬというルールがあるくせに、回復アイテムがあれば傷は一瞬で回復する。よくわからない規則が、このときはありがたく思えた。泰我の口に含ませると、たちまち傷口が塞がり始める。
「敵に背中を見せるとは…タブーですわよ」
 刃が迫る気配。それを後ろも見ず脇差で叩き落す。二個目、三個目。
蒼空はしばらく泰我を注視していたが、立ち上がり後ろを振り向いた。
「お仲間の傷を気にするなんて、友情は美しいですわね。でも」
 何かが床に落ちる音が響き、視界が白く染められる。煙幕だ。すぐさま範囲外に逃れようと、床を蹴った。
「私の前で、そんなものは不要です」
 逃げようとした蒼空の腕が、フィオナに捉えられる。へし折られそうなほどの力で、可動方向とは反対側に捻じ曲げられる。
「ぅぐぁ…っ」
 先ほど痛めたところをさらに傷つける。蒼空は耐えきれず、うめき声を漏らした。
「おらぁっ!」
 次の瞬間、腕が解放された。泰我が振り下ろした斧を受け止めるため、フィオナが両腕を差し出したからである。まだ泰我の傷は治りきっていないが、見ていられず飛び出したのだ。当然のように金属板で受け止められたが、パワーなら十分だ。実際、フィオナは腕のしびれを感じた。
「あらあら。助け合いというものでございますわね」
 蒼空は飛びずさり、五メートルほど距離を取ってから回復した。泰我に救われた。あのままだと、あと三秒ほどで腕が折れていただろう。自分一人では立ち向かえないと知り、胸が痛い。
「へへっ、オレもたまにはやるんでェ」
 泰我も蒼空の隣まで移動し、フィオナから目を離さないまま白い歯を見せた。
「助かった」
 そこは素直に、だが簡潔に返す。まだ戦闘は終わっていない。蒼空が一歩踏み出した時、足の下でわずかに地面が沈む感覚を覚えた。
身体の血液が凍り付いた。
動けない。
「あははははは!ははっ、あははははっ」
 そんな蒼空を嘲笑う様に、フィオナが高笑いを発した。二人の様子を目にし、泰我の顔も青ざめる。
「私の罠が一つだけだと思っていたのですか?やはり詰めが甘いようですね、剣音くん」
 剣音。
尊敬してつけられたはずの二つ名が、自分を呪っているように感じた。蒼空はその位置から足を離すことができない儘、襲う短刀をはじき続ける。フィオナはホルスターから銃を抜き、相手の二人に向けて連射した。
「おい蒼空!これは」
「地雷だ」
 答える声の震えを、なんとか押さえつける。泰我には彼の焦りがあまり感じられなかったが、ただでさえ白い肌からさらに血の気が引いているのはわかる。
蒼空が焦っている=危険ということだ。
足を離した瞬間死ぬ。でもこのままだと、いずれ二人とも撃ち殺される。
考えろ。蒼空は血が回らない脳を叩き起こす。考えて考えて、考え続ける。極限状態にいるせいか、時間が引き伸ばされたように感じた。使えるものを探す。右足以外の自分の身体。太刀。脇差。泰我は自由だ。斧も使える。アイテムも全部使えるが、回復薬以外は入っていない。そして、フィールド。パイプ、鉄骨、床…そして。
蒼空の目が光った。
「泰我、息を合わせられる自信ある?なければ逃げてくれ」
「あったりまえだ、残る。何年一緒にいると思ってるんでェ」
 蒼空は右手を、部屋の壁に向けて突き出した。狙うのは水道管。出入り口とは反対側、壁の中にあるはずだ。頼む、うまくいってくれ。指先についた糸を引くように、徐々に曲げて。引き寄せる。その間も、左手は忙しなく銃弾をはじき返している。フィオナの笑い声が掠れ、聞こえなくなる。そして。
硬いもの同士がぶつかり、へこむような音がした。同時に、出入り口の扉が蒼空に向けて吹っ飛んでくる。フリスビーのように水平に回転する金属板が、彼に襲い掛かった。肉薄する気配を感じ、蒼空は動く。泰我と一瞬だけ目を合わせ。
少年達の足が、ふわりと離れた。

爆ぜた。

部屋に爆音が轟き、床が生き物のようにうねる。千切れる。舞い散る粉塵で視界が奪われるが、フィオナは意にも介さずにうつろな目で前を見ている。しばらく経っても、少年たちの姿は見えない。
勝った。否、狩った。
凄まじい高揚感が、体の内を焦がすようだ。フィオナは小さく息を吐いた。
「ふふっ…あっは…っあははははははっ!ははははっ」
 漏れた笑いは膨張し、哄笑に変わる。そして狂笑へ。喉が裂けるほどの大声で、腹を抱えて笑いまくった。初めて自分とまともに戦える相手に出会った。そして勝利した。やはり私は強い、誰にも負けることがない。この先もずっと、この短刀さえあれば。
その笑みは、永遠に途絶えることはなかった。
何故なら。
その表情のまま、袈裟懸けに斬り割られたからである。フィオナの身体は二本の刃に裂かれ、薔薇のように紅い血の花を咲かせた。一拍遅れ、ワインレッドのリボンが血溜まりに浸される。
そんな彼女の前に降り立ったのは、剣音の蒼空と泰我。二人は死んでいなかった。あの絶望的な状況で、どうやって回避したというのか。
その答えは次の通りだ。
あの瞬間、蒼空は能力を行使した。電撃の用途は攻撃だけではない。
壁に埋め込まれたパイプを芯とし、周りに線状の電流を流す。要は導線無しの電磁石を作った。それにより、周りと違い磁石に引き寄せられやすい材質だった扉を引き寄せた。装備についた金属が引き寄せられることで動きを封じられぬよう、泰我と蒼空の周りだけ電界を解除しておくのも忘れない。そして飛んできた扉に、二人で息を合わせて飛び乗る。足が離れたことによる大爆発は起こったが、扉を盾にした上に受け身を取って回避。その勢いでわざと上に向かって吹き飛ばされ、落下の勢いを利用し太刀と斧で死角から斬撃を放った。哄笑し続けていたフィオナは全く気付かず、その身を切り刻まれた。
少しでもタイミングがずれていれば死んでいた。早ければ地雷で木端微塵。遅ければ扉に引き裂かれる。一見正反対に見える二人の息は合っていたようだ。
「蒼空、チビにしてはやるじゃねェか」
「泰我の脳ミソ筋肉も、やっと治ってきたみたいだな」
 お互いに毒づき、でもねぎらう。泰我は嬉しい。一瞬でも、まだ幼い頃の蒼空が戻ってきてくれたような気がしたからだった。
「帰るかァ」
 泰我が背を向けた時、後ろでふらりと何かが動く気配がした。
「――蒼空?」
 彼の手にしていた太刀が、冷たい床に転がった。

「ったくもう…無茶すんなって言ってんのによ」
 数分後。
あのまま意識を失った蒼空を、泰我が背負っている。蒼空の能力には、よくある話だが代償があるのだ。雷矢を使うくらいならほとんどダメージはないが、あんな無茶な使い方をして体が無事なわけがない。泰我と話していた間も、実は凄まじい頭痛と目眩に襲われていたのかもしれない。下手をすれば死ぬほどの負荷をかけてまで戦う。その意義が、泰我にもいまいちよくわからない。
でも耳元にかかる吐息は温かくて、柔らかくて。瞼を閉じ、全身が脱力した無防備な表情。もともとの顔立ちが整っているというのも原因だろうが、こんな蒼空の姿はとてもかわいらしかった。戦闘などという非日常とは、かけ離れたところにいるのではないかと錯覚する。
もともとは蒼空だって、普通の家庭に暮らす、元気で優しい少年だった。でも何がどう狂って、こんなに頑なになってしまったのか。それに比べ、自分は良くも悪くも変わらない。確かに昔から考えるのは苦手で、家でゲームをするよりは野原で駆け回っているほうが好きだった。そんな泰我から、いつの間にか蒼空は離れていった。性格の違いもあったのだろう。でも、寂しかった。まだ施設に預かられていた頃からの友達で、唯一無二の親友。よく親の目を盗んで施設へ遊びに行き、大人たちに隠れて漫画を読んだ。ひとつひとつの思い出が、まだ胸の奥にしまってある。あんな風に、とはいかないかも知れない。でもまた、自分の近くに戻ってきてくれたらいい。
ゲームだけのつながりではなく、現実でも自分を必要としてほしい。
蒼空の体温を背中に感じながら、泰我は一人願った。

「璃空様。ゲームは実に順調に進んでおります」
「うん!ぼくもずっとふたりを見てた。あのひともがんばったけど、全然だね」
「酷なことを仰らないでください。折角身体を強化して、最強の戦士に作り上げたはずですのに」
「―――たちが強くなったんだよ。ああ、つぎがたのしみ!」
 少年は椅子から飛び降り、無数のモニターの前で嬉しそうに両手を広げた。

「そうでしょ?お兄ちゃん」


<作品のテーマ>

朝から母に怒られまくっております零です。
とあるラノベを読んでいると戦闘モノが書きたくなりました!で、勢いに任せ書き上げましたが…またまたろくすっぽ読み直しもせずに投稿してしまいました(笑)時間がなかったもので。ごめんなさい…
そして、今回のお話は本編にも関係する結構重要なヒントです。ようやく長編に関係する作品が投稿できてうれしいなー。
個人的にはフィオナちゃんが好きです。みなさんの好きなキャラもできれば聞きたいなーなんて。
よろしくお願いします!
   投稿者  : 古事記のリテナ
こ..こわ( ̄_ ̄|||) 本編にこれが関係して来る=ハッピーエンドまでの道のりは遠い?、でOK?
なんか、だんだんダークな話になってきたねぇ、怖いねぇ、ちゃんとハッピーエンドにしてねぇ!?((威圧
昔よりも、かなり読みやすいお話だったよ(ハッピーエンドォオオオ!!!)。長編でも全部読めるようスタンバっとくので、いつか投稿してね(ハッピー!!!)。
あと、一カ所文字化けらしきものが。それから、泰我くんの口調にちょっと違和感がありました。 犬夜叉読みなさい。いっぱい"ェ"使っているから。
じゃ、またくるねぇ!!!!(((威圧
   投稿日 : 2017/05/05 18:31
   投稿者  : 
リテナ
ハッピーエンドまではあと三千里ほどありそうだねェ。←反省しろ
このゲス蒼空が今後どう変わっていくのか見ものだよー!そう!今回はちゃんと確認したのに文字化けに気付かなかった!(観察眼)江戸っ子口調ほんま書きにくい…本編では多分標準語に戻るよ(笑)フィオナちゃんマジ怖いっす。でも可愛いっす。
着物は完全に趣味です、はい。ごめんなさい。今回はもうテンションが爆発してて、自分の趣味をガンガン詰め込んだからね!おかしいことになってるよ!
また来てね(ブーメラン)
   投稿日 : 2017/05/06 13:58
   投稿者  : てこてこ
今回も読み易くて面白かったです。
冒頭からの流れで蒼空くん冷たい人なのかなと思いきや、予想以上に仲間想いで可愛かったです。
個人的にはちょっぴり残念感漂う泰我が好きですね(笑)頑張れって応援したくなりました。

少し気になった所ですが、長編ファンタジーだとよく陥るんですが、設定の説明が多すぎて途中若干説明書読んでる気分になりました。丁寧な事は良いのですが一気にではなく話の進行と共に小出しにする方が良かったのかな、と。戦闘シーンでも説明があちこち入るので部分部分での勢いが無くなってしまっている感じがしました。
それと、説明がたくさん書かれているのに「能力」自体がどういった物を指すのか、蒼空くんは研究所に軟禁状態なのに、どうして命の危険を伴うゲームをしている事を研究所が容認しているのか等の設定の基盤になる目的部分がふわっとした説明しかないので、よく分からないまま話が終わった感がありました。
短編だけでまとめる場合ですと、その話の本筋に関係無い部分はいっそ省いた方が良かったのかもしれません。
そこら辺のバランスって非常に難しいですし、私も上手く出来ないので、感覚的な意見しか言えなくて申し訳ないです;

あ、あと蒼空くんが地雷を踏んで動けない時に、ふたりともフィオナの銃撃で動けない様でしたが、ふたりとも遠距離攻撃出来るよね?(特に蒼空くん)と疑問に思ったので、そこら辺の説明は欲しかったかなぁと。

そんな感じです。キャラクターも個性的で可愛いですし、話も面白くて続きが気になりました。
長々と失礼しました。次回も楽しみにしています^^
   投稿日 : 2017/05/06 15:07
   投稿者  : 
てこてこ様
感想ありがとうございます。的確な意見を頂き、只今パソコンの前で顔を真っ赤にして頭を抱えております(;´・ω・)
まさかの泰我ですか…!?自分で振っておいてかなり驚きです。確かに彼は常に残念なポジションでキャラクターに振り回されておりますね(笑)実は前にも長編のキャラを登場させる短編を書いたことがありましたが、その時と同じ失敗をしてしまったようです… 説明とアクションのバランス取りは相変わらずへたくそです… 難しい!こうして客観的に見ていただくと、結構な量穴があることに気づかされます。色々指摘してくださりありがとうございました!また改稿版も投稿することにするので、その時はよろしくお願いいたします。てこてこ様も創作頑張ってください!
   投稿日 : 2017/05/06 15:24
   投稿者  : 管理者
皆さまへ

いつもご利用いただきましてありがとうございます。
本日、零様ご本人より、今後もしくは当分のあいだ当サイトの閲覧ができなくなるとのご連絡をいただきました。
ご利用者の皆さま、何卒よろしくお願い申し上げます。
   投稿日 : 2017/05/08 22:38
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